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何気ない行動が怪異を生み出す。赤い橋から見下ろす人たちの謎

体験・現象
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これは僕が中学2年生のときの話。

僕は自転車で学校に通ってました。片道15分ぐらいかな。

部活には入っていたけど、あんまり活動はしてなかったです。

来年には高校受験も控えていたので、ちょうどその頃からに通うようになってたんですね。

学校が終わると部活に向かう生徒たちを追い越してまっすぐ駐輪場へ。

そして、停めてある自転車にまたがってまた15分ほどかけて塾へと通う毎日を過ごしていました。

学校から塾への道の途中には大きな川が流れており、その上には真っ赤な橋がありました。

橋の長さは50mほどで、幅は2mぐらい。車は通れず、自転車と歩行者だけが通れる橋でした。

塾へ向かうために学校を出るのが夕方4時半頃で、いつもその橋の上を通るのはその10分後ぐらい。

空は薄暗く、夕焼けを見ながら自転車を漕いでいた記憶があります。

不思議な現象に出会ったのは、塾の帰り道のことでした。

塾からの帰りはいつも夜9時ごろ。外はもう真っ暗で、自転車の明かりだけが頼りでした。

橋の照明は決して明るいと言えるものではなく、橋の終わりがなんとなく見えるぐらいの明るさ。

帰り道に赤い橋の上を通ると、一人のサラリーマンが橋の真ん中に立っていて、手すりから橋の下を見下ろしていました。

『何かあるのかな?』と思いつつも、その日はそのまま自転車で通り過ぎて帰宅。

次の日。

再び、塾の帰りにその橋を通りかかると、今度はスーツ姿の女性が橋の下を見下ろしていました。手すりに手を当て、身を乗り出すような形で。

下に何かあるのだろうか、と興味を引かれながらも、その日もそのまま帰宅。

驚くべきことに、その次の日も、またその次の日も、毎回違う人が橋の下を見下ろしていたのです。

「さすがにおかしい」

僕の「橋の下に対する興味」はもうピークに達していました。

「次こそは、次こそは橋の下を覗いてやるぞ」

しかし、橋を見下ろす人と一緒になって橋の下を見るのも何か癪だったので、誰もいないタイミングを見計らって橋の下を覗くことにしたのです。

それから2日後、再び塾の帰り道にその橋を通りかかると、運良く誰も橋の下を見下ろしていませんでした。

「やった……!」

ついに橋の下を覗けることに嬉しさを感じた僕は、そのまま自転車のスピードを上げて、「いつも誰かが下を覗いているポイント」にまっすぐ進みました。

ちょうど街灯の下。橋の高さは50mほど。

ブレーキをかけ、自転車にまたがったまま橋の手すりから身を乗り出し、橋の下を覗いてみる。

「……?」

ない。

何もない。

そこには、身を乗り出してみるようなものは何もありませんでした。

下を流れる川と、流れる水の音、鳥か虫かの鳴き声。ただ、それだけ。

身を乗り出しながら橋の下を懸命に覗き、何もないことを確認して体を自転車に戻す。

すると、今まで気づかなかったけれど、僕のことをジロジロと見ていた人に気がつきました。

その人はいつの間にか僕の真後ろを通り過ぎていて、もう橋の終わりにまで差し掛かっていました。

「あぁ、そうか」

ここで、僕はようやく「赤い橋から見下ろす人々」の不思議な現象の謎が解ったのです。

橋から下を覗くAさん。そして、その日、Aさんを見かけた通行人Bさん。Bさんは橋の下に何かがあると思い、後日、Aさんと同じようにして橋の下を覗く。

橋の下を覗くBさんを見たCさんは、橋の下に何かがあるのだと思い、後日、Bさんと同じように橋の下を覗く。その姿を見たDさんは橋の下に……。

こりゃ、橋の下を覗く人が絶えないわけですよね。